エンジニアは、“新しい”との架け橋である。

ネオスの技術センターとしての開発力強化を目的に、札幌に点在していたオフィスを統合し、新たに開設された「Neos Sapporo Developers Park」。 ここに勤めるエンジニアにネオスとの出会いや働き方を聞いた。

59909b6b5c86f30ee95f9721218fcc1a.jpgY.S
2015年入社。高等専門学校から専門学校を経てプログラマーに。ネオスに入社するまではIT業界やゲーム業界にてプログラマーとして従事。ネオスに入社以降は、アプリ開発を中心に札幌開発センターのリーダーとしてチームを牽引している。
f0e8e6b1b8ceb698b6394587b41181b4.jpgZ.I
2015年入社。大学院まで数学を専攻し、そこで得たプログラミングの経験を生かし卒業後はPBX(電話交換機)の開発会社へ。ネオスではバリュークリエイション事業部に所属し、自社プロダクトであるチャットボットサービス等の開発に従事している。
※取材当時の内容を記載

時代と専門性。

まずはじめに、お二人がネオスに入社した経緯を教えてください。

Y.Sネオスに入る前は北海道にあるゲーム会社でエンジニアとして働いていました。その会社が業績不振になり転職を考えざるを得なくなった際、ちょうどネオスでゲームプログラマーの募集があり、IT企業がゲームコンテンツを作ろうとしているのが面白いと感じて受けてみようと思いました。

Z.I入社のタイミングはY.Sさんより少し後になるのですが、私も同じ年に入社しました。もともとは交換機のシステムを作る会社に所属していたのですが、機械学習やAIに対する興味があり、求人を探していたところネオスの募集を見つけました。札幌は事業部に関係なくエンジニア同士話をする機会が多いので、Y.Sさんと私も普段から関わりはありますが、専門とする領域ややっていることは全く異なります。

エンジニアの得意不得意、専門分野はどのように分けられるのですか?

Y.Sゲームアプリは、ネイティブアプリとWebアプリのふたつに分けられます。前職ではネイティブアプリの開発が主でしたが、ネオスでは今のところWebアプリの開発が多いです。ネイティブアプリは開発のための選択肢が絞られつつありますが、Webアプリはこれといった選択肢を見つけられていないので、四苦八苦しています。また、開発したアプリはGoogleやAppleといったプラットフォーマーの影響を大きく受けますので、各企業の動向には常にアンテナを張っています。

Z.IY.Sさんの場合、例えばAppleでOSのアップデートがあった際に新しい技術が入ってくると思うんですけど、私はサーバー側で動かすものが多いので、動いている基盤の言語のアップデートの方にアンテナを張っています。エンジニアは今までやったことがないことをやりたいと考える人が多いので、その好奇心に従って新しいものを取り入れ、勉強している人が多いと思います。

食い違う両者。

専門知識が蓄積する分、エンジニア以外の人と話す際の認識のずれを感じませんか?

Y.Sそれはもの凄く感じます。ある程度は仕方のないことだと思いますが、齟齬が大きくなればなるほど成果物の品質にも影響が出てしまうので、知っている側が相手に伝わるように説明することが大切だと感じます。言葉だけだとどうしても右から左に抜けていってしまうことも多いので、必要に感じた際には資料を作って共有をしています。アプリの仕様を決める時に気をつけて欲しいことやデザイン周りの話など、資料にまとめて知識を共有することで、チームで品質を高めていきたいと考えています。

チームの人にはわからないことは正直にわからないと、困っていることがあったら教えてくださいと常にお願いしています。技術とは全く離れたところで面白いアイデアが生まれることも事実ですが、最終的な帳尻合わせはプログラマーの仕事になることもまた事実なので、両者の認識のずれについては自分から寄り添って解決するように心がけています。

Z.I私の場合は、前にいた業界がどちらかというと下請けの立ち位置だったので、今みたいに企画の人と一緒にやるのはネオスに入ってからなんです。そのため、お互いの間に生まれる認識の齟齬をどう解消していくか、慣れるまではかなり苦労しました。今の案件は開発以外の方とも長期に渡って一緒にプロジェクトを進めているので、関係性やお互いの事情、コミュニケーションの取り方もわかり、だいぶ円滑になりました。

ネオスの本社がある東京のメンバーと札幌とでは得意分野が異なるというだけなんですよね。自分が出来ないことは頼ればいいし、自分たちの得意分野で助けられるところは任せていただくことで、プロジェクトがより良い方向に向いていくと思っています。

境界線を越える時。

おふたりは、企画の部分にも興味がありますか?

Y.S今私がやっている案件ですと、企画が上がってきた時点で技術者の視点で問題がないか確認し、もっとこうやれば面白くなるんじゃないかという打ち合わせを行うので、一緒に企画から作り込んでいる感じです。ゲーム業界にいた時もディレクションをやったことがあったので、今もプログラムを書くだけでなく東京のメンバーと話しながらひとつひとつのプロジェクトを進めています。

Z.I私も最近企画に携わらせていただく機会が増えていて、開発側発信でこういう改善をしたらどうかという提案書や仕様書、イメージを作ることもあるので、そこに対する抵抗はありません。

Y.S私はこれまで6社くらい転職してきましたが、エンジニアがディレクションしたり企画をしたり、自分の専門以外も関わることは普通な気がしています。

Z.IY.Sさんはだから評価されるんだと思います。自分の出来る範囲だけをやっている人は、エンジニアとしての評価があまり高くなりません。出来ないことでも自分なりに勉強して、専門ではないけれど試行錯誤して、その人なりの形に仕上げられる人が重宝されると思います。

エンジニアは残業が多いイメージですけれど、どのように調整していますか?

Y.Sすり減らないように自分自身でコントロールすることが大切だと思います。複数案件担当させていただいていますけど、マルチタスクというよりシングルタスクを切り替えてという感じなので、大変に感じることは少ないです。ただ自分のキャパを超えるような仕事のやり方をすると品質が下がるので、そこだけは気をつけています。

基準のひとつは定められている労働時間。その中で出来ることが”出来ること”なので、それをオーバーするものは”出来ないもの”だと判断しています。もちろん、自分が何か失敗した時や未来への投資を考えた時など残業が必要な場合もありますが、それを当たり前にするべきではないと思っています。

Z.I私はネオスに入社してから、これは無理だと判断する基準が出来ました。残業時間を含めた計画にはしたくないので、あらかじめスケジュールを組む時に業務時間内に終わるように調整しています。それでも想定外なことが起きるものなので、どこまで見越して組もうか、どこまでなら大丈夫そうか、その部分は経験を積む中で判断する基準を作っています。

Y.Sチームによって異なる部分もあると思いますが、プロジェクトが終わったら得た知識と資産を次に活かすための改善会を開いて、質を高めていく流れが良いと感じます。すぐに次の案件が始まってしまうこともありますが、忙しいを言い訳にせず、未来の自分たちが楽をするためにどうするべきかチームで考え実行する、その繰り返しだと思います。

Z.I私の所属しているチームでは、毎月、先月の良かったこと・悪かったこと、今後の改善点についてチーム全体で1,2時間とって発表し共有しています。もうこの取り組みが1年くらい続いていますが、実際に改善されていくものや新しい発想が生まれたりしていて、変化しているという実感があります。

現在地の先に未来がある。

札幌で働くこと、企業に属すことについてはどのように考えていますか?

Y.S企業に属す属さないの違いは生活の安定だと考えています。一時期東京で働いていたこともありますが、自分は札幌の方が合います。何より出勤するまでの満員電車が辛くて。技術の情報に関して言えば、東京でしか開かれないカンファレンスやイベントが多いので、直接触れる機会は東京の方が多いと感じます。ただ、情報自体は自分で調べることもできるので、あまり違いはないと感じます。

Z.I私は個人でやっていきたいとはあまり思いません。ネオスは自社開発をやっているので自分たちのプロダクトとして開発に携わることができ、自分の中ではそれがやりがいになっている部分が大きいので、ポジティブな気持ちで企業に所属しています。自分の考えとずれてきたら他の企業に行くことも出来ますし、企業に縛られているというより企業にいるから大きい仕事を自分事で取り組めると思っています。

東京に出たいということもないですね。前職ではトータル3,4ヶ月ほど東京で作業しましたが、場所によって大きな変化は感じませんでした。それであれば好きなところで働けた方が良いかなと思います。

おふたりはこれからどんな分野に挑戦していきたいですか?

Y.S日々、技術を追うことに必死なので、とにかく知識とスキルを積み重ねてその時に出来るサービスを提供し続けられたらいいなと思います。

Z.Iモバイルでは5Gになる動きも進んでいて、今後はよりネットワークを介したプロダクトに比重が置かれる世の中になっていくと思います。今のネオスはこの方向性のままどんどん進化出来ると思っています。その中で、今はモバイルもやりつつウェブもやりつつ、インターネット上でコンテンツの配信や連携をして作っている状態なので、競争力を持って新しい時代を生きていく力を付けている期間なのかなと。このまま進んでいくことでより面白い提案を行っていければと思います。

最後に、ネオスの社名の由来でもある“新しい”とは、お二人にとってどういうものか考えをお聞かせください。

Y.S“新しい”という部分だけに焦点を当ててしまうと、雲を掴むような話になって具体的なイメージが湧かないのですが、技術の話ですと今触れている基本的な技術を応用していった先に“新しい”が生まれると考えています。その時に第一線で“新しい”に触れる機会がなかったとしても、いつでも対応できるように備えておくことが大切だと思うので、そのために今出来ることをひとつずつやっていけたらと思います。

Z.I世間が思う“新しい”と作り手が思う“新しい”は離れていると思います。技術的に新しいというより、世間にはまだ広まっていなくてユーザの興味にマッチしたものが新しいものとして扱われていると感じています。エンジニアにとっての新しいものではなくて、使い慣れているものを通して新しい価値を提供することもまだまだ出来ると思うので、ユーザ体験としての新しいをこの先も考えていければ良いのかなと思います