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トップメッセージ

結実した成果をさらなる拡大の原動力へ
自社事業を基盤に成長フェーズへの回帰とさらなる飛躍に向けたスタートラインに立つ一年
テクミラホールディングス株式会社 代表取締役社長
池田 昌史
ご挨拶
世界情勢が激しく揺れ動き、万博やオリンピックの熱気さえ遠く感じられるほど、変化の速度が増しています。テクミラグループはこうした時代の変化に対応すべく、単一事業に依存しない多角的な経営を進め、ソフトウェアからハードウェア、コンテンツまで幅広い領域で事業基盤を築いてまいりました。2010年代、スマートフォンの普及によりガラケー市場が急速に縮小し、当社のコンテンツ事業も大きな影響を受けましたが、その局面を支えたのが法人ソリューション事業でした。
2010年代後半以降はIoT需要の拡大を背景にデバイス事業が成長し、コロナ禍や地政学リスクの影響を受けながらも、aiwaブランドの立ち上げや製造体制の強化を進めてきました。現在では、ゲーム事業がアジア圏を中心にグローバルな成長を牽引し、AI分野では生成AIを搭載したサービスが市場で存在感を高めています。
2023年以降は、自社事業の収益化と利益拡大による成長を図る中期経営計画に沿って事業を推進してきましたが、当初の見込みより時間を要し、2023~24年度は基盤づくりに注力する「仕込み」の期間となりました。2025年度はその「仕上げ」を進めた重要な一年であり、売上高は104億円と、新作ゲームの発売が無い端境期ながら前期に続く100億円超えを維持しました。SaaS事業やaiwa事業、ウェルネス事業など先行投資を続けてきた自社事業が黒字化へ転じ、新規連結のHRTechを手掛ける(株)Retoolも初年度から利益に貢献しています。
こうした取り組みにより、当社は再び成長軌道へ向かうための確かな手応えを得ました。2026年度は新作ゲームの世界同時発売を控え、毎年新作を投入できる開発体制も整いました。AI事業の拡大やウェルネスサービスのソリューション展開など、成長ドライバーも揃いつつあります。ここから当社は「再成長期」へと舵を切り、挑戦を続けてまいります。株主の皆様におかれましては、引き続き変わらぬご理解とご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
自社事業全体の強化・底上げをテーマに事業を推進
本年度は強固な事業体質を構築し、成長路線へと回帰するため、自社事業の強化・底上げと収益化をテーマに事業に邁進しました。その結果、SaaSやTechサービスなどの先行投資事業全体では、前年度の大幅な赤字から黒字へと転換しました。事業の足腰も、より強固なものとなり、次のステップを目指すための足場を固めた一年であったと考えています。

SaaS事業はグループ基幹事業に成長
先行投資事業も黒字化へ
SaaS事業は、第1四半期から黒字を継続し、通期では大幅な増収増益となりました。AIチャットサービス【OfficeBot】は、継続的な品質向上と、展示会への積極出展などのマーケティング活動により、導入企業数の拡大が続いています。クラウドアドレス帳サービス【SMARTアドレス帳】も、セキュリティを強化したフルクラウド版を投入し、好調に推移しました。本年度に飛躍したSaaS事業は、当社グループの基幹事業へと成長しています。
自社製品aiwa事業も、主力のタブレット製品やデジタルカメラの積極的な新製品投入が奏功し、販売が順調に推移、事業開始4年目にして黒字転換しました。ウェルネス事業は、AI健康アプリ【カロママプラス】の販売に加え、その機能を外部事業者にソリューション提供する新展開を進め、複数案件の開発を推進しました。また、【カロママプラス】のAI機能の強化も進めています。メディカルケア事業の医療・介護向けDXプラットフォーム【KarteConnect】は、都内大手クリニックである「つるかめクリニック」様へ提供を拡大しました。FinTech事業は、小売・流通業へのキャッシュレス決済サービス【WalletPro】の導入・拡大への取り組みと機能強化を行い、HRTech事業では人材スカウトツール【HABUKU】に加え、マネジメントDXサービス【Retool】のフリーミアム版を提供開始し、収益拡大に向けて推進しました。
ゲーム事業は、新作ゲーム投入がなく、旧作の販売に注力しました。「Crunchyroll Game Vault」でのスマートフォン向け移植配信や、アジア向けの展開が好調で、黒字を維持しています。また、本年7月に世界同時発売の【カルドセプト ビギンズ】の開発も順調に進んでおります。
受託型事業は減収となるも次への「打ち手」を着実に実施
IoTデバイスのODM事業は、グローバル開発・生産体制への移行により生産効率の向上・収益体質の改善が進み、売上高は減収となる一方で利益は大幅な増益となりました。また、開発体制の強化に向け、中国湖南省長沙市に新開発拠点を設立しています。
ソリューション事業は、AIソリューションへの企業の大型投資が活発化せず、AI分野へのリソースシフトも影響して減益となりましたが、中小規模のAI導入需要の拡大を予想し、「短期間・低価格で導入可能」という特性を持つAIフレームワーク【AIdeaSuite】の機能強化を進めました。AI以外の所謂DXソリューションについては、スクラッチ開発の需要が落ちつつある影響で減収減益となりましたが、強みを発揮できる業種や分野を絞り込み、体制変更を含めて反転する対策を進めています。
次の成長ステージに向けた展開を開始
「自社事業の強化と受託事業の新たな体制づくり」という、本年度の事業テーマは概ね達成できたと考えています。構築した強固な事業基盤を礎に、新年度は次の成長ステージへと歩みを進めます。これまでの成果を確かな足場としながら、さらなる付加価値創出と競争力強化に挑戦し続け、企業としての持続的な成長を実現したいと考えています。
2026年度は成長軌道への回帰と加速
当社グループはコロナ禍前まではソフトウェア、コンテンツ事業に加え、IoT事業の拡大が首尾よく進み、グループとして最高益を出してきたという実績があります。しかしながら、2020年初頭からのコロナ禍で、インバウンド消費の消失やサプライチェーンの混乱が生じ、IoT事業が失速、これから成長していくという絵を果たせず、大きな影響を受けました。ただ、その中でゲーム事業の導入と本格化が実現するとともに、コロナ明けと共に変化した世界において、新たな成長を実現するための事業の導入を行ってきたという経緯があります。この3年の謂わば「種蒔き期」において、新規事業の導入と収益化に邁進する中で、自社事業中心への転換と成長を目指してまいりました。2026年度は、その成果を基盤に、成長軌道への回帰と加速を目指す一年になると考えています。

SaaS事業の拡大とソリューション事業の再構築
AI&クラウド事業では、コストパフォーマンス重視のAI導入ニーズにはAIチャットサービス【OfficeBot】で対応し、AIの高度活用ニーズにはAIエージェントサービス【OfficeAI社員】を提供することで顧客層を広げつつ、SaaSで対応できないAIニーズに対しては、【AIdeaSuite】を用いた個別業務へのAI導入を低価格で提供するという三段構えの体制でAI活用の拡がりに対応してまいります。
また、【SMARTアドレス帳】も、名刺管理機能等のサービスを強化し、顧客増を継続していきます。DXソリューションについては、社内関連部門を集約してリソース効率を高めつつ、当社グループが強みを有する業種や分野で案件受注を進めてまいります。
IoT&デバイス事業は外部環境の影響を保守的に見込む
残念ながら、IoT&デバイス事業は外部環境が極めて不透明な状況にあります。生成AI拡大に伴うデータセンター建設が進む中、半導体メーカーは高性能半導体を優先することで、汎用半導体は供給不足と価格上昇が見込まれます。また、人民元高・円安もコスト増要因となるため、EdgeIoT事業(旧「ODM」)は減収減益、Products事業(旧「自社製品aiwa」)は赤字を見込みます。一方で、IoTデバイス需要は引き続き旺盛であり、コスト削減策や生産効率向上により収益確保に努めていきます。
期待の新作ゲームを世界へ、Techサービスも増収増益
ライフデザイン事業では、新作ゲーム【カルドセプト ビギンズ】の発売を7月に予定しており、欧米を含む全世界に展開します。シリーズ10年ぶりの完全新作として、往年のファンからの期待の声に応えるとともに、新たなユーザー層への拡大も目指してまいります。2026年3月にリリースしたキッズ向け知育サービス【キノリー】は、他に類するサービスがなく、大きなチャレンジであると認識していますが、知育・教育分野におけるデジタル化の進展を背景にサービスの知名度拡大を積極的に推進してまいります。HealthTechでは、【カロママプラス】機能のソリューション提供先拡大や、AI機能強化、PHRデータを活用したサービス強化を進めます。メディカルケアの【KarteConnect】は病院への横展開を加速し、黒字転換を目指します。FinTechも同様に、導入先の拡大による黒字転換を図るとともに、日本初の円建てステーブルコインの発行企業JPYC(株)との連携も検討してまいります。HRTechは、人材スカウトツール【HABUKU】において、AI面談等の新たなサービスを追加し、売上高の拡大を目指します。
次のステージへと飛躍
当社グループでは、2026年度を次の飛躍へ向かう起点の年と位置付け、社員一丸となり事業に邁進してまいります。また、株主還元の機会拡充に向けて中間配当を導入するとともに、2028年2月期を目標とした中期経営計画についてはローリングを実施し、2027年2月期第2四半期決算発表時に公表を予定しております。