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第3章 混沌と模索 小森の視点

SPEAKER

小森 博晃
ネオス株式会社
サービスソリューションカンパニー バイスプレジデント

Interview

私が入社したのは2012年。ちょうどプライムワークスが東証一部に上場し、ネオスへと社名を変更した年にあたります。前職も、SIerに近い立場でシステム系サイトの開発に従事していましたが、ネオスはその枠には収まりきらない、多様な顔を持つ会社だという印象を受けました。

当時のネオスは、スマホの急速な普及に伴い、モバイル向けコンテンツや企業のオンラインサービスの受託開発が急増していました。とはいえ、組織や仕組みがその成長スピードに追いついておらず、現場には混乱や戸惑いも多かったのが実情です。特にスマホでの開発に関しては、会社としてもまだ経験が浅く、体制もノウハウも、まさにこれから築いていくという段階でした。
ガラケー時代は、提供できるサービスにもある程度の“型”がありました。通信キャリアが決めた仕様に沿って設計し、表示領域や動作環境も一定で開発の進め方も比較的わかりやすい。ところがスマホになるとこの前提が一変します。OSや端末スペック、UI、ネットワークなど、自由度が広がった分、やるべき設計判断や検証の幅が格段に広がり、正直、最初は探りながらやっていくような状況でした。

加えて、我々のクライアントには製薬業界や航空業界など、特定の業種に特化した案件も多く、業界ごとの専門的な知見や文化、商習慣などの理解が不可欠です。求められる要件は技術面だけにとどまらず、業界固有のルールや用語、意思決定のプロセスに対する配慮なども含まれます。プロジェクトを円滑に進行させるには、そうした背景をふまえた柔軟な対応力やコミュニケーション力も欠かせません。
当時はまだこうした案件を進めるための明確なルールや、ナレッジを共有する仕組みがなく、プロジェクトの進め方も人によってバラバラ。品質や進捗のコントロールも難しく、いかにチームとして同じ方向を向けるかが大きな課題でした。カンパニープレジデントの内井さんとも議論を重ねながら、マネジメントの標準化を図る「ガイドライン」の策定、資格取得支援などの社内制度との連携、外部研修や社内勉強会の実施など、ネオスならではのマネジメントスキルを磨き、プロジェクト遂行力を底上げするための仕組みを地道に作り上げていきました。こうした取り組みを経て、現在ではスキルを持つメンバーが着実に育ち、プロジェクトの品質も向上しています。

技術進化やビジネスニーズの変化は加速度的に進んでいます。新たな波に乗り遅れないためには、個々のスキルアップはもちろん、組織全体として常にアップデートが必要です。過去の経験を糧に、我々は今後も変化を恐れず挑戦とブラッシュアップを続けてまいります。