SPEAKER
- 村上 友輝
- 株式会社Wellmira
 サービス事業本部 職域事業推進部長
Interview
前職は音楽配信関連の企業でしたが、当時からヘルスケア領域におけるデバイスの進化やライフログ分野に大きな可能性を感じていました。そうした中、ヘルスケアサービス事業を先駆的に展開していたネオス(当時はプライムワークス)に出会い、2011年に転職しました。現在は「カロママプラス」と「RenoBody」を軸に、企業の健康経営を支援するイベントの企画やディレクション、プランニングなどを担当しています。
特に重視しているのは、クライアントが継続的に利用したくなる“サービスデザイン”です。企業が健康経営に取り組む背景には、従業員の健康改善を通じて組織全体のパフォーマンスを高めたいという狙いがあります。従来の健康診断や研修・イベントでも一定の効果は得られますが、そこに“楽しさ”や“参加意欲を高める”仕組みを組み込むことで、より大きな成果につながります。
                            例えば「RenoBody」を活用したウォーキングイベントでは、参加者同士をグループ分けしてランキング形式で競い合えるようにしたり、インセンティブを設定してモチベーションを高めたり、さらにグループチャットを通じて交流を促したりと、複数の仕掛けを取り入れ、参加者の主体性や社内コミュニケーションを自然に活性化させています。こうした仕組みは、「続けるから成果が出る」という健康施策の本質に直結しており、ネオスが培ってきた技術的アセットをアプリに反映することで実現しています。
 
                        歩数はスマートフォンを持ち歩くだけで自動的に記録されますが、PC入力にも対応するなど、利用者のニーズに応じた柔軟な仕組みを整備。また、収集したデータをもとに健康状態の可視化や改善提案を図ることができ、クライアントからも高い評価を得ています。結果として、現在では700を超える企業・団体にご利用いただけるまでに成長し、健康経営支援ツールとしての認知も拡大しています。これに加えて、経済産業省による「健康経営優良法人」認定制度の浸透も追い風となり、市場全体が拡がりを見せています。
                            健康経営は「やりましょう」と言われてすぐ成果が出るものではありません。だからこそ、主体的な参加を促し、継続できる仕組みづくりが大切です。「健康経営を実現するには何をすればよいのか」を明確にし、それに応えるサービスを開発・提供していくことが、私たちの役割だと考えています。
2020年以降は、コロナ禍による在宅勤務の普及や健康課題への意識の高まりを背景に、新規参入が相次ぎ競争環境は激しさを増しています。私たちもサービスの多様化と強化を進めるなかで、2023年度には事業移管によりネオスの一部門から独立し、ヘルスケア事業会社Wellmiraとして挑戦できる領域が大きく広がりました。両社の開発力やサービス運営の知見、顧客ネットワークなど、これまで個別に展開してきた強みを掛け合わせることで、より一体的で幅広いソリューションを提供できる体制が整ってきています。
                            実際に、運動促進は「RenoBody」、食事や睡眠の管理は「カロママプラス」といった形で両サービスを組み合わせて活用するクライアントも増えていますし、ニーズに応じて他のヘルスケアコンテンツを組み合わせることで、より効果的な展開も実現できます。
ヘルスケア市場には、まだまだ大きな成長余地があります。AIをはじめとする先端技術も積極的に取り入れながら、私たちはこれからも最前線を切り開くサービス開発に挑戦してまいります。
 
                        